LGBTs’s diary

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気になるあの子とセクマイ話

体験談を提供してくださった葵様

ありがとうございました。たくさんの思いを綴ってくれたこと感謝いたします^_^

 

↓葵様体験談↓

人生の中で、自身のセクシャリティについて考えさせられる事が、何度かありましたので、少しだけ、お話します。

私が「恋」に落ちたのは、中学生の頃。
同じクラスの、サッカーが上手くて、明るく、笑顔が素敵な女の子。
ここでは、Sちゃんって事にしておきます。

これまで、なんとなーく、好きなのかな?って男の子はいましたが、激しく燃えるような気持ちもなく、いま思えば、「足が早い」「顔がいい」「モテるから」...みたいな、なんというか、部分的なところしか見てませんでしたね...、その証拠に、すぐ冷めてました。(おい)

でもねでもね、この時ばかりは違いました。
Sちゃんに会う度に、胸がドキドキして、嬉しくて幸せで、会えない時は少し寂しくて、そして、他の女の子と仲良くしてるのを見てモヤモヤしたり。なんというか、この子の事を考えて一喜一憂している自分に気づいたんです。
というかもう、ぶっちゃけ、付き合いたい、もっと触れたいって思うようになってたんですね。
スキー!!!!!!って気持ちでいっぱいでした。
かと言って、そいういう自分を気持ち悪いとか、おかいしいとか、思ったことはありませんでした。

この時まではですが。
自身のセクシャリティに気付かされるというか、考えさせられる様になったのは、二年生の冬頃、Sちゃんと一緒に通っていた塾の帰り際での出来事です。
その日、塾が終わって、親の迎えを待ってたとき。Sちゃん、いつもお喋りなのに、なんだかこの時ばかりは静かというか、落ち着かないというか。
とにかく、様子がおかしかったもんで、どうしたのかと尋ねると、少し躊躇いがちにね、しかも、真顔でね、こう聞かれました。

「葵って、レズなの?」
????はい?????
レズ??les?Rez
もうね、頭の中大パニックですよ。だってさっきまで一緒に普通に勉強してた友達が、ですよ。

ほかの誰でもない、目の前にいる、「私」に向けて、聞いてきたんですよ。
「あなたはレズなのか?」と。
いやね、あのー、好きな子いるの?とかだったら分かりますよ。
でも、あの、「レズなの」って。
なぜ?どうして?そのタイミングでそんな事聞いた??
と、色々、ツッコミたかったのですが、そこはとりあえず、「なんでやねん!笑」
って、笑って誤魔化したんですよね。
そしたらSちゃん、いつもの可愛い笑顔で、「だよね!!笑」って言いました。
......だよね!!!って何!!!?なぜ!!??なにが!??
ちょ、待てよ!状態でした。
もしも、もしも、私が「うん、そうだよ」って言ったら、どうしたの??ねえ、あなたどうしたの!!って聞きたかったけれど、何せこの時はまだ、LGBTが浸透していない時代だったし、ましてやそんな状況で自分のセクシャリティなんて分かるはずもなくて...、笑って誤魔化したんですけど。ずっと心に引っかかったままでした。
結果的に、その子に気持ちを悟られるのが怖くて、避けるようになって、距離を置くようになってしまい、疎遠になりました。

だからね、きっとね、今もし、あの時に戻れるのなら、「そうよ。レズビアン...、というよりは、私は人として、女の子が好きよ」って伝えるかもしれない。
それであの子に嫌われたって、私が女の子を好きでいるのは、私が私でいる事には何も変わりは無いもの(*^^*)

それから、中学を卒業し、胸いっぱい夢いっぱいで高校に入学した私は、幸い、友達にも恵まれ、授業はつまんないけど、まあまあ楽しいスクールライフを送っていました。
そんなこんなで半年ほどたった頃。
クラスメイトから、こんなメールが送られてきました。当時ね、チェーンメールっていうのが流行ってて、それが来てたんですよ。

その内容が、「私、実は性同一性障害なの。」
私は目ん玉が落ちそうになりました。
だって、びっくりするじゃない。同じクラスの女の子がね、ドラマとかで見た、性同一性障害、で。女の子しか愛せなくて。
驚きと、動揺と、...自分と少し似ている事で、気持ちがいっぱいで。
私は長いメールを、何時間も悩んで、彼女に送りました。
話してくれてありがとうとか、何かあったらいつでも相談してね、とか。実は私も、女の子が好きで...とは、書きませんでしたけど。さすがに、それは書けませんでした。
とりあえず、あなたの味方よ!!って事は書いて送りました。

そこでまた、事件が起こりました。
翌日、人が周りにいないことを見計らって、その女の子にメールのことを聞いたんです。そしたらね、その子はこう言いました。

「あー!あれ、冗談!!!笑」
...へっ???
あっけらかんと笑う彼女を前に、私はただ、ぽかーんとしてました。
えっとお、冗談っていうのはつまりぃ、女の子しか愛せなくてぇ、性同一性障害で悩んでるってのはぁ...、嘘だったのぉ?
......なんだとぉぉぉ!!!!!
私の!!!時間を!!返して!!あの!!何時間も悩んだ!!あの!時間をっ!!!
怒ることすらできず、ただそこに立ち尽くす私。
そこでまた、心に何かが引っかかりました。
確かに、当時もまだそんなにLGBTが浸透していなくて、彼女も何も知らなかったから、悪気はなかったのでしょうけど。
もしも、あの時に戻れたら、私はやんわり注意すると思います。

「あなたのその何気ない言葉に、静かに傷ついてる人たちもいるのよ。」と。
そうなんだよね、無知は時に人を傷つけるんですよね、例え本人に悪気はなくても。
軽率な発言をする前に、「知る」ことが大切なのかな、ってこの時思いました。
セクシャリティに限らず、何でも。

ですが、進級して、友達が更に増えた頃、転機が訪れました。
私の周囲に、私と同じような人たちが、意外と、たくさんいたのです。
その時、私は、遭難してしまって、アマゾンか砂漠かどっかで、やっと人に出会えたような気持ちになりました。
なんだ、言わないだけでこんなにいるんや!!

そして高校を卒業し、大学へ行き、就職をし、大人になりました。
やっと、自分のセクシャリティに関する悩みもなくなり、自分自身を認め、愛する事が出来るようになった頃、またまた、ある事件が起きました。
テレビでLGBTの特集をやっていて、それを見ていた父が、私に向かってこう言ったのです。

「同性愛者などこの世にいらない。気持ち悪い。」
今まで、面と向かってこんな風に否定された事がなくて、私は心底、傷つき、そして、怒りが湧いてきました。ましてや、身内、家族にこんな事を言われるなんて...、私はとてもショックを受けました。
1番、理解して欲しい人に否定された事に。
なぜ、人が人を好きになる、それだけで、そんな風に言われなきゃなんないのよっ!!
喋ると泣きそうだったので、私はその場を立ち去りました。

けれど、月日が経ち、某女性議員がLGBTの方たちを傷つけるような発言をし、問題になったニュースが流れていた時、私は家族でこのニュースを見ていたのですが、父はぽつりと言いました。

「こいつは、最低だな」
意外な父の言葉に、私は驚きました。
あんなに否定していたのに、なぜ?
新聞やニュースを毎日目にして、色んな人達がいることを知ったのもあるのかな、と思いました。
たぶん父は、私の事を否定したかった訳ではなく、知らなかったから、あんな風に言ってしまったのだと思います。
だから、私、気づきました。
理解はされなくても、いい。ただ、少しでもいい
「知って」欲しいんだという事に。

人間が100%、人を理解するのは、まあ...、たぶん気の知れた友達だとしてもね、難しいと思います。
でもね、「知る」ことは出来ると思うんです。
知りたくない、という人も中にはいるかもしれませんが...汗
でも、知らないより知った方が、世界は広く見えるかもしれません。

否定する前に、知ること。
Sちゃんにも、あのメールを送ったクラスメイトの女の子にも、友達にも、そして父に出会えて、色んな価値観を持ってる人がいて、世界は広いんだと言うことを知れました。
ありがとうございます。感謝しています。(*^_^*)

セクシャリティ」等を通して、人や、自分を見るのではなくて、「その人自身」、「自分自身」を通して見ると、今まで見ていた世界よりも、キラキラと輝いて見えるのでは?と感じました。

いつか、「LGBTです」「当事者です」「同性愛者です」なんて言わなくてもいい世界になる事を願っています。(*^o^*)

 

 

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